歯科で使う銀歯は主に金銀パラジウム合金を使います(お国柄によって違いますのでドイツではパラジウムはアウトですが。。)。このパラジウムは自動車の材料であったり希少金属なので投機の対象になったりで、ここ10年で10倍近く値段が上昇しています。
おもな産地はロシアです。私たちが購入して使用する金属代金も最近で30gあたり12万円まで上がったので、リアルに私が開業した時より10倍の値段にまであがりました。ほとんどの方が3割負担とはいえ、やや大きめの銀歯がかかわると、歯科の保険請求は6000円くらい、前歯だと8000円くらいにまで上がってきました。
今回追い打ちをかけるようなロシア情勢にて、4月に値上がりした銀歯費用は5月に緊急改定があり、もう1段階値上がりしました。(ただ、私たちの購入価格からすると全歯科医院がマイナスをかぶりながら対応している状況がここ何年も続いているのが現状です。)
ただ悪いことばかりではありません。アレルギーのリスクの少なく金属の値動きも少ない、純チタンが材料に加わったり、今まで保険外治療のみの使用だった高圧縮樹脂が場所によっては認められるようになりました。症例を選んで対応だったり、私たちも技工士の方も扱うのが難しいチタンは硬すぎる側面もあり、使用していい条件などが細かく決まっていますので、こちら主導で使用する金属などは選びますが、アレルギーリスクが少なく健康に近づけるときは積極的に使っていきましょう。